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猿の部長 マーケティング戦略で世界を征服せよ!

どうしてこの本を選んだか

SNSでつるんでるコンサル会社に勤務している人がなんかおすすめにあげていたので、とりあえず買ってみようと思って買いました。

概要

アメリカの大学でMBAを取得した滝川は、中堅総合商社・ライフ商事への入社直前、こっそり忍び込んだ猿ケ島での祭礼中に気を失ってしまう。目覚めるとそこは、経済の中枢を猿が牛耳り、人間をこき使うパラレルワールドだった!! 滝川は、ライフ商事の5つの事業部で、猿の部長たちにマーケティング戦略を提案し、年間利益10億円を目指すのだが……。 「即日完売なのに、利益が出ない不動産事業部」「立地も広告も有利なのに、赤字続きの美容室事業部」「データ分析をしても、ヒット商品が出ないキッチン用品事業部」「徹底的なコスト削減をしても、利益ゼロの寝具事業部」「絶品スイーツなのに、全く売れないインターネット事業部」など、問題だらけの事業部を建て直すことはできるのか? そして滝川は、元の世界に戻れるのか?

感想

2014年発売当時はまだそんなに流行っていなかった異世界転生チックなストーリーが進行していて、ストーリーの中で現れるユースケースに実際のマーケティング手法を当てはめ、キャラクターの課題を解決するといった内容の本でした。
小説というストーリーベースで進めながら、実際のユースケースに当てはめてそれぞれのマーケティング手法をええ利用していくという進め方なので、いわゆる専門書にあるような堅苦しさはなく、こういう時はこういうのを使えばいい、といった取っ掛かりやすさを感じました。
こういう本っていうのは小説特有の当てはめたらなんでも解決みたいなご都合主義的なところがあって、個人的にはあんまり好きではないんですけども、それぞれのマーケティングのキーワードが随所に散りばめられており、それをもとに具体的な専門書とか読み進めるみたいなきっかけづくりの本としてはいいのではないでしょうか。

今後への活かし

この本をもとにこういうマーケティングの手法があるよっていうことを触り程度で知ることができた。
もし何かしらの課題にぶち当たった時はこの本をベースに深い追いして行こうとか、マーケティングもちょっと面白そうだっていう興味を持つきっかけにはなりました。
今すぐに何かするというよりは、今後こういう引き出しをキーワードとして持って、専門的なところを読んでいくというところをしていきたいなっていうふうに思ってます。

Notes

  • 理解して営業しているのと闇雲に営業するのとでは意味が違うんだ。マーケティングの戦略は失敗した場合、最初にセグメンテーションをしておかなければ、次にどこを攻めればよいかわからなくなってしまう。世の中失敗することの方が多いから、その理由を知ることは次の成功するマーケティングの戦略を知る上で絶対に必要なことなんだよ。
  • この図のアルファベットの頭文字をとったのが3Cです。そして差別化で狙うのは自社で提供できる商品で、セグメンテーションされたお客が重なるところ、かつ競合がやっていない車線の部分です。
  • 滝川はもう一度任せてくれれば大丈夫と力強く言って、テーブルの上にあったメモ帳に五つの項目を書き記した。 1. 美容室の社員が今までの考え方を捨てる 2. 美容室で一緒に働く社員同士がオープンになって情報交換をする。 3. 会社だけでなく、自分たちの社会的な役割も理解する。 4. 美容室の事業部と、お店で働くすべての社員が納得できる目標を作る 5. その目標を達成するために社員で協力し合う心を持つ。
  • 現状を分析することは大切ですが、それを元に考えてしまうと、現在の手法を改善することしか思いつかなくなってしまうのです。 実際に部長のTOWS分析の表を見ると、改善点は列挙されていますがマーケティング戦略を大転換するような常識をぶち壊す画期的なアイデアも出ていません。そもそもSWOT分析がそのような戦略ツールではないので当然ですが。
  • コアコンピタンスとは、市競合会社が真似できない核となる会社の能力のことです。これがなければ競合会社に勝つことはできません。
  • BLC理論とは、商品には導入器成長期、成熟期衰退期の四つの段階があると仮定すること。
  • インターネットで商品を売るとなると競合会社が多いので、まずは買ってくれるお客を見つけることの方が手先になります。
    1. お客発見
    2. お客実証
    3. お客開拓
    4. 組織構築