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人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている

どうしてこの本を選んだか

一時期ネット上で話題になった「錯覚資産」という言葉。その言葉の出典になっているらしい。この本を読めば「錯覚資産」という言葉の原点や出典の意図が分かると思い、購入した。

概要

伝説的なブログ『分裂勘違い君劇場』を中心に、何百万人もの感情を揺さぶり続けたモンスター・ブロガーがついにデビュー!

実力を磨くよりも、はるかに人生を好転させる「錯覚資産」とは何か。誰もが一度は思う「なんであんな奴が評価されるんだ!?」の謎を解き、「誰にでも使えるズルい武器」として解説する異色作。

本書を読み終えた後には、誰もが「人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』で決まっている」というタイトルに納得しながらも、そうした世界でどう生きるべきかを考え込んでしまうはずだ。

感想

自分は相手に期待させたり、自分をよく見せることが苦手だ。その理由の一つとして、第一印象で能力が高いと思われると、成果を残せなかった時の評価が低くなってしまうと考えていることがある。また、自分が評価されているほどの実力があるとは到底思えていないので、なるべく自分を過度に売り出さないようにしている。

さらに、相手に「当初想定されていたほどの実力がないな」と判断されないよう、自分の長所や良くないところを客観的に述べ、なるべく公平な判断を仰ぐよう心がけている。言ってしまえば、正直すぎるところがあり、悪く言えば営業が下手だともいえるだろう。エンジニアには実際にできているのにあまり主張しない人が多い。日本人全体でも、特に遠慮がちな傾向が見られる。自分も現在の立場ではそれで問題はないが、将来的には自分という名前を売るための営業が必要になるだろう。どのような形の営業になるかはさておき、自分を広告宣伝する必要がある。

では、どうすれば効果的に営業ができるのか。この本には、事実を超えた手法として、「こうした方が相手に受け入れられやすい」「意見を通しやすい」といった売り出し方が書かれている。人間というのはそもそも考えることを拒否しがちで、これは頭の良し悪しに関係ない。相手にとってわかりやすい主張をするだけで説得力が増すというのが本書の大きな要点だ。

「錯覚資産」というのは、言い換えれば相手に実力があると思わせるための実績やわかりやすい経歴などを指す。例えば、文章が多ければ多いほど実力があるように見えるのも錯覚資産といえるだろう。今後、自分を売り出す上で、このような技術をプラスに働かせられる場面があれば、この本で学んだことを活用したいと思う。

今後への活かし

自分は正直で素直なところがあるので、相手の言葉を真に受けたり、宣伝文句にだまされたりすることが多い。この本から学んだことの一つに「人は自分が思っているほど公平な考えをしていない」という点がある。何かを判断する時は、まず自分が錯覚にとらわれていないかを冷静に考え、この判断が本当に正しいのかを常に意識していく必要がある。日頃からこの姿勢を心がけていきたい。

Notes

  • ここで重要なのは「人々が自分に対して持っている自分に都合の良い思考の錯覚」は一種の資産として機能するということだ。本書ではこれを「錯覚資産」と呼ぶ。
  • 「直感的に正しいと思える、間違っていること」と「直感的に間違ってると思える、正しいこと」という二つのエリアに錯覚の悪魔が棲んでいる。この悪魔は見えない。彼らは思考の死角に棲んでいるからだ。
  • 自分の人生を選択する時だけは徹底的に思考の錯覚の汚染を除去して、研ぎ澄まされた直感と論理的思考で本当に正しい判断をしなければならないのだ。
  • 人間の直感は「すぐに思い浮かぶ情報」を過大評価するし、すぐに思い浮かばない情報を無視して判断するので、例えば「どのデザイナーに仕事を頼むか?」という判断において、あなたが選ばれる確率は飛躍的に高くなる。あなたが思っているよりもはるかに高くなるのだ。
  • 大きな錯覚資産を手に入れたいなら「一貫して偏ったストーリー」を語らなければならない。バランスの取れた正しい主張などに人は魅力を感じない。それでは人は動かせない。「シンプルで分かりやすいこと」を、それが真実であるかのように言い切ってしまえ。本当は断定できないことを断定してしまえ。
  • 要は「一貫性」、「原因」、「結論」の3つを過剰に求める傾向に注意していれば、自分の思考の錯覚に気づいて修正しやすくなるし、他人の思考の錯覚を利用して自分に有利に物事を進めることができるというわけだ。

買ってねー

おすすめ度:⭐️⭐️⭐️⭐️☆

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている