申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

どうしてこの本を選んだか
何かの本の出典としておすすめされていたような気がする。気になったタイトルだったので買ってみた。
概要
前代未聞! 気鋭のコンサルが内幕を暴露した全米騒然の問題作!
デロイト・ハスキンズ&セルズ、ジェミニ・コンサルティングと、大手コンサルティングファームを渡り歩いてきた実力派コンサルタントが、自らとコンサル業界が犯してきた恐るべき過ちの数々を大暴露。「戦略計画」「最適化プロセス」「業績管理システム」……こうして企業は崩壊する。
望ましいコンサルティング業務のあり方、クライアントとコンサルタントの正しい付き合い方を提唱する。
感想
本書は、コンサルタントとして働く自分自身の経験を踏まえ、コンサルタントの現状や問題点、そして本当の意味でのコンサルタントとは何かを記した一冊だと感じた。個人的にコンサルタントに対しては非常に懐疑的で、「一体この人たちは何をやってこんなにお金をもらっているんだろう」と思うことが日々の業務で多々ある。
本書によれば、モデルや数値といった理論を振りかざすコンサルタントは多く、企業側もそのようなコンサルタントに半ば迷信や盲目的に従っているような節がある。これは自身の業務経験からも共感できる点だった。
タイトルから受ける印象とは異なり、著者は会社を潰したわけではなく、「こうしなかったがために潰れてしまった」という事例を挙げているに過ぎない。もちろん失敗例もあるが、著者のコンサルティングのアプローチは筋が通っており、読んでいて納得感があった。
特に興味深かったのは、具体的なモデルや理論では成果を上げられず、必要なのはヒアリング能力や現地とのコミュニケーションだという指摘だ。どんなに優れた理論を持っていても、コミュニケーションが取れないチームでは成果を上げられないし、そのようなアプローチができないコンサルタントは実績を出せないという点は非常に腑に落ちた。
自分が感じていた「理論やモデルへの懐疑心」が正しかったと確認でき、改めてコミュニケーションの大切さを実感した。本書を読んで得たこの気づきは、今後の業務にも活かせるものだと思う。理論に偏らず、現場の声を重視する姿勢を持ち続けたいと感じさせられる一冊だった。
今後への活かし
チームビルディングや実績を上げる際に、チーム間のコミュニケーションが非常に重要であることを改めて実感した。最終的にはコミュニケーション能力が仕事での成果につながると感じたので、この機会にコミュニケーションに関する書籍を読んでみようと思う。
Notes
- 彼らに最も欠けているのは実社会での経験だ。
- さまざまなモデルを導入し、数値データに従って行っても期待していたような成果は決して得られない。なぜなら、ビジネスは理屈どおりにはいかないからだ。
- この数十年、企業のリーダーたちは「我が社はビジネスを通じて人々の暮らしをもっと良くするためにどう貢献できるか」という重要な課題に取り組ませようとせず、あまり意味のない問題にばかりとらわれてきた。その結果、効率一辺倒の企業ばかりになってしまったのだ。
- コンサルティングの世界では物事を迅速に処理する能力が評価されるため、ただ考えるなど何の付加価値ももたらさない行為とみなされる傾向がある。しかし、じっくりと考えた結果、私が思ったのは「労働組合に入っている従業員は非協力的でいい加減」などと聞かされていたのとは反対に、ほとんどの従業員は問題点をよく分かっており、自分たちでも何とかしたいと思っているのに、彼らには業務のやり方を変える権限すらなく阻害されているということだ。
- 企業がこれほどまでに数値評価基準を好むのは、数値評価は本物で信頼できるデータだと勘違いしているからだ。
- Googleによる「優れたマネージャーの8つの習慣」
- 優れたコーチであること
- ある程度はチームのメンバーに任せ、細かく管理しないこと
- 部下の成功と幸せを気にかけていることを態度で示すこと
- 生産的で成果志向であること
- コミュニケーションをよく取り、チームの意見に耳を傾けること
- 部下のキャリア開発を支援すること
- チームのための明確なビジョンと戦略を持っていること
- チームにアドバイスできる重要な技術的スキルを持っていること
- つまり、自分がしているのは良い関係を築くこと、それだけだ。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️