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ポル・ポト〈革命〉史―虐殺と破壊の四年間

どうしてこの本を選んだか

たまたまYouTubeを見ていたら、青汁王子がマッチングをして相手を選ぶみたいなブライダル動画が流れていたので、冒頭少しだけ視聴。
それを見たところ関連動画で青汁王子の動画がサジェストに出るようになった。
その中で絶対知ってほしい海外の施設というタイトルで青汁王子が紹介しており、このツースレン収容所というものを紹介していた。
かつてカンボジアのポル・ポト政権というものがおこり、革命の中で国民の3分の1を虐殺し、歴史な大虐殺の収容所が存在していたことを青汁王子が紹介していた。
そんな恐ろしい大虐殺があったのかというところで興味を持ち、この本を購入した。

概要

生還者わずか7人の監獄、無軌道に展開した強制労働、密告、そして処刑。社会基盤を破壊し全国民の4分の1を死に追いやったポル・ポト政権はいかにして「革命」を遂行したのか。20世紀最大の蛮行の軌跡と背景を完全解説。

感想

ポル・ポト政権のあった史実を解説するものであるため、感想と呼べるほどのものはあまりない。
けれども、このような歴史的に恐ろしい革命、意味のわからない革命があったことを知ることができた。
また、本書からは、一体ポルポト革命ってなんなんだという問いかけや、訳がわからないといった著者の心情が随所に読み取れ、本当に何のためにあった革命なのかという虚しさしか残らない革命だったんだなということを読み取ることができた。

今後への活かし

歴史的な大虐殺を紐解く解説本であるため、具体的なアクションに同意を落とし込みができるかというと、あまりできることはない。
が、これをきっかけに、そのような海外の歴史的観光名所というものをちょっと巡ってみたいなという思いは出てきた。
きらびやかな観光名所に行くというよりも、こういう歴史的な蓋をしたいような、あまり表に出たくないような歴史の観光名所もめぐるのもありかなというように感じた。

Notes

  • フー・ユオンには人間的欠点もあったかもしれないけれども、ポル・ポトらの暗黒路線の導入に誰よりもはっきり反対した彼の信念と勇気に対して素直に敬意を表したくなる。もちろん彼の声高な反対ぐらいで、もうポル・ポトは抑制できなかった。目障りな邪魔者は消された。激流に刺す一本の竿はへし折られた。
  • ツールスレンはごく普通の路地に沿った元高校校舎だから外見からはこれぞ監獄という恐ろしい感じではない。だが、堀の内側はショックの連続だった。処刑の一部は構内でも行われたから、まだ死臭が漂っていた。犠牲者の骸骨を国土の形に積み上げ、大骸骨地図ができていた。これは新政権による少々悪趣味な展示だったが、錆びた鉄のベッド、手枷足枷、拷問器具、レンガを無骨に積んだ急造仕切りの独房、囚人たちが死の直前に書かされた大量の供述書の山、殺された直後の死体の写真、拷問の様子を克明に描いた素朴な絵、囚人たちの絶望的な表情の顔写真、十代の少年少女も多数混じった監獄の職員や食料係の屈託のない顔写真。どれにも死臭がこびりついていた。
  • 実のところ、ポル・ポトを始め、最高指導部がほとんど元教員ばかりという革命集団である。インテリ粛清などと言っても、もうひとつしっくりこない。
  • 革命戦士、地域のボスとして自他共に認めた実力者も、自分の心の中に深く埋め込まれた党の規律にがんじがらめになって、絶望の淵に 沈んでしまったのだ。
  • 虐殺をやめるたとなると、ポル・ポト軍の鉄の規律が、規律の高さとして目立つようになったことも事実だった。特に反共ゲリラ各派には、金欲物欲だけといっただらしない幹部が多かった。「それに比べ、ポルポト軍の規律はしっかりしている」と国境地帯のタイ軍司令官がしきりに感心していた。
  • 最後にもう一度、ポルポト革命とは何だったのだと思わずにはいられない。