無(最高の状態)

どうしてこの本を選んだか
体調整えることはタスクでバリューを出すためには、タイトルにあるとおり「最高の状態」が必須であると考える。常に高いパフォーマンスを出すためには、常に自分を最高の状態に保っていくことが必要だと思う。
それを実現するためになんか手助けになるかなと思い、この本を数年前に購入した。
最近仕事でちょっとイラつくことがあり、考えてもしょうもないことだけど、ついつい頭をよぎってしまう、どうしても嫌なことが頻発していて、考えても仕方ないことをなんとか取り除く助けになればと思い、再びこの本を手に取った。
概要
この本の目的は、あなたの不安や心配事をクリアにし、あなたが生まれ持つポテンシャルを取り戻すお手伝いをすることです。 原始仏教の経典から神経科学や脳科学の最先端研究まで、さまざまな文献を横断しながら真の智慧を授ける一冊!
▼「いまを楽しもう」「とにかく行動しよう」で解決するなら苦労しない
大事なプレゼンの重圧や、健康診断の再検査への恐怖、新生活への不安など、事前に抱いた心配事が実際にはたいしたことがなかった経験は誰にでもあるはずです。 そのせいか、世の中には、「無駄な苦しみを捨てよ」と促すアドバイスが溢れています。 「いまを楽しもう」「とにかく行動しよう」「小さなことは無視しよう」「自分らしく生きよう」「あなただけの軸を持とう」……。 しかし、これらの言葉によって、根本的な問題が解決した人が少ないのもまた事実でしょう。 一時的に気分は良くなるでしょうが、「気にするな」と言われただけで悩みが解消するなら苦労はありません。
そこで本書では、より包括的なアプローチを試みます。そのステップを大まかにまとめると、次のようなものです。
1.人生において「苦しい」とはどのような現象なのかを考える 2.あらゆる「苦しみ」の共通項を見極めて普遍的な対策を立てる
このような「苦しみ」の根本を掘り下げるアプローチが可能になったのは、神経科学や生物学の研究が進んだおかげです。 中でも脳に関する知識の進展は目覚ましく、現代では、不安・怒り・孤独・虚無といった異なる苦しみの感情に、一段上の視点から対策を立てられるようになりました。
▼ あなたの能力を発揮するために「苦しみの足かせ」を外す
この本で言う「最高の状態」とは、あなたが生まれながらに持つ判断力や共感力、好奇心といった能力を存分に発揮できるようになった姿を意味します。 私たちの目を曇らせる不安や思い込みが取り除かれた結果、意思決定力と他者への寛容さが上がり、いまネガティブな人は気持ちが安定し、ポジティブな人はさらに幸福度と判断力が高まる。 そんな状態です。
なにやら眉唾物のようですが、かく言う筆者も幼いころから「人生の辛さ」と格闘してきた人間のひとりであり、本書で取り上げる対策から多大な恩恵を受けてきました。
私の場合は子どもの頃からの対人不安と気の小ささが悩みの種で、仕事で少しミスをしただけで体調を崩し、大勢の人と会話をした後は気疲れで寝込み、かといって人に認められたい気持ちは人一倍だったから手に負えません。
しかし、十数年ほど前から本書の技術を実践し続けたところ、興味深い変化が起きました。 ある時からふと仕事や人づきあいのプレッシャーを覚えなくなり、いつも「失敗をしたらどうすべきか」を考えていたのが、「現状をより良くするにはどうすべきか」へ思考の方向がシフト。 いつも浅い呼吸しかできないような感覚を抱いていたのが、少しずつ深く息を吸える感覚が生まれ、いまではかつてない落ち着きを得ています。
無論、私が持つ根っこの気弱さが変わったわけではなく、いまも内面に様々な負の感情と思考が渦を巻くことがしばしばです。 その点ではまだ筆者も見習い坊主ながら、かつてとは「苦しみ」との付き合い方が変わったのは間違いありません。
本書の技術は大半が神経科学や脳科学のデータに基づいており、実践すれば多くの人に恩恵があるでしょう。 あなたが生まれ持つ能力を十二分に発揮するには、「苦しみ」の足かせを外すしかありません。 その方法を一冊にまとめました。
感想
自分の心を落ち着かれせるための手法を大学の研究や仏教的な教えから具体的な手法に落とし込んでそれを紹介している。
ポイントは二つあり、一つは大学等の研究でそのエビデンスが示されている点、もう一つが具体的な手法を示しているという点。
実際、こういうデータがあっても、どういうふうなこうアクションを起こせばいいかわからないといったケースはある可能あることが多い。 それに対して、この本は具体的なアクションに落とし込んでいるので。とりあえずやってみるかと言って着手することが可能。その点は良い。
ただ、個人的な話として、いろんな書籍を読んだ中でいろんな本に書いてありすでに内容と被る部分も多かったので自分個人にはあまり新しいものは見受けられなかった。
また、アクションが多くて、結局何を選べばよいのかといった選択のパラドックス的なこともあったので、ちょっと個人的にはあまり面白くなかった。
今後への活かし
現段階では特になし。
何か本当にうやむやするようなことがあれば、もう一度開いてみようかな程度。
Notes
- 通常何か欲しいものを目にした人間の脳内には、ドーパミンというホルモンが分泌され、あなたの欲望をかき立てる方向に働きます。ところが、欲望を抱いた直後に「テトリス」で脳の注意を一時的にそらしてやると、ほどなくドーパミンによる支配力が薄れ、前頭葉の自己コントロールが戻り始めます。ドーパミンの持続時間は平均十分前後で、その時間さえしのげば、あなたは渇望に流されず、「一の矢」だけで苦しみも終えられるわけです。
- 近年の心理精神心理学では、人間の「自己」が持つ働きを細かく分類しています。
- 人生の一人生の記憶
- 性格の要約
- 感状の把握
- 事実の認識
- 連続性の経験
- 実行と所有感
- 内面の生産
- 同じようなトラブルにも苦しむ人と苦しまない人がいるのは、あなたのメンタルが強いか弱いかの問題ではありません。脳内に作られた独自のストーリーラインが適応か否かの問題なのです。
- 正しい「結界」の張り方を知っているといないとでは、いざ自己が暴走を始めた後の展開が大きく変わります。事前にあなたの内面に平常心の土台を作っておけば無手勝流で世界の変化に立ち向かうよりも、確実に物語の悪影響からは逃れやすくなるはずです。
- 2014年、ブリティッシュコロンビア大学などのチームが興味深い実験を行いました。これは健康な女性を対象にしたテストで、チームは全員に高負荷のサイクルトレーニングを指示。その際に半分参加者にだけ「不快な感情をできるだけ受けるようにしてください」とアドバイスしました。結果、不快を受け入れた参加者は苦しみの認知が大きく変わり、運動の辛さに抵抗したグループと比べて主観的な辛さが55%も低下し、疲れて動けなくなるまでの時間が15%増加しました。この結果をもとに、チームは不快を受けることの効果を強調しています。
- ただ自己がどのような「抵抗」を起こすかを眺めてみてください。いったんこの感覚が身につけば、失敗、わかれ、病気、不安、自己批判といった人生のあらゆる痛みに応用できるようになります。
- 観察を実践する最も簡単な方法は、日常生活を一部に取り入れてしまうことです。食事、皿洗い、掃除など日常の動作であれば、なんでも選んでから構いません。目の前で起きてることに意識を向け続ければ、それは観察になります。
- 慈経行(じきひん)は原始仏教の世界で使われてきた手法で、一言でまとめれば歩きながら他人の幸せを願う訓練のようになります。数あるトレーニングの中でも心を押し付かせる効果が高いとされ、例えばアイオワ州立大学のテストでは496人の学生に「大学の構内を歩きつつ、すれ違った人たちの幸せを願ってみてください」と指示したところ、12分の実験で不安とストレスの大幅な減少が認められました。慈経行の実践は簡単で、通勤途中や買い物中に見知らぬ人とすれ違ったら、この人が健康で元気に暮らせますようにや、この人が楽しい人生を送れますようにと心の中で考える作業を一日10分ずつ続けてください。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️☆☆