概要
本書は、マネジャーとして新たな責任に直面するすべての人にとっての「信頼できるマネジメントの古典」「頼りになるマネジャーのためのガイドブック」として、長年、米国で読み継がれ、8つの言語に翻訳される世界的ロングセラーです。
時代や国を超えて通用する普遍的な「マネジャーのスキル・心構え・態度」を網羅。これまで7回の改訂を繰り返し、最新版では、世代間ギャップの問題、リモート勤務への対応、職場でのソーシャルメディアの利用、上長のスタイルに合わせた態度など、時代に合わせてアップデートされています。
どうしてこの本を選んだか
自分が今後マネジメントを行う上で、マネージャーとはどういうものなのかを知るために本を探していた時期があった。Amazonのおすすめに出てきたのが本書で、気になるタイトルであったため購入した。
感想
「マネージャーの全仕事」という言葉通り、マネージャーがどういうマインドセットで、どういう行動のもとにマネージャーを務め上げるかということが記載されている。非常に内容が濃く、感想で書ききれないぐらいにはさまざまなマネージャーとしての仕事が記載されており、今後管理職について部下を持つ人間にとってはとても有用な本であったと言えるだろう。
マネージャーに最も重要であることは、部下ないし組織を目的・目標の達成に向けて導くことだ。それに対して具体的にどのようなことを実施すればよいかが事細かに書かれている。本書に限らず、優れたマネージャー理論というのは同様なことが書かれている。相手に信用され、人として十分な品格を備え、人間性を前提条件とした上で導く必要がある。でないと部下がついてこないからだ。
本書はそのような高い抽象度の話も述べられており、他の図書と比較しても整合性の取れている有意義なことがいろいろ書かれていた。本当に非常に密な図書であるので、ぜひいろんな人に読んでいただきたい図書のひとつだ。
今後への活かし
自身としてまだマネージャーというほどマネジメントの仕事をしていない。部下が実際にいないからだ。しかしながら、部分的にマネージャーたる動きができる部分は何点かあったので実践していきたい。例えば部下へのフィードバックだったり、自分が後輩に「自分の先輩・上司になってよかった」と思われるような姿を目指すといった点に注力して、今後も努めていきたい。
Notes
- リーダーとは、未来を見通し、自分の意志決定による結果をはっきりと思い描ける人のことだ。個人的な感情を脇において、事実に基づく意思決定ができなければならない。これは感情という人間的な側面を無視することとは違う。事実は事実として扱い、事実については人の感情に左右されないことだ。
- マネージャーの主な仕事 1. 採用:該当の仕事ができる能力やポテンシャル、やる気と熱意のある人を獲得すること 2. コミュニケーション:経営理念や目的、組織の目標を部下に伝え、部署や事業部、業界の動きについての情報共有を行うこと 3. 計画:組織目標の達成に貢献すべく、事務所の目標達成に向けて施策を決定すること 4. 組織の編成:それぞれの行為や業務やプロジェクトを実行するためのリソースを確保し、どの部下に何をさせるか決めること 5. 育成:部下一人一人の現状の能力を把握し、求められるレベルとの差を明確化して、それを埋めるべく学習の機会を提供すること 6. モニタリング:業務の進捗を把握し、部下それぞれがプロジェクトやタスクをうまくやれているか確認・対処すること 7. 評価:部下一人一人の業績を評価し、本人の役に立つフィードバックを行い、個人として、チームとして要求される水準との比較を行うこと 8. 解雇:組織に貢献ができない人、あるいは個人として必要な要件を満たさない人を部署から取り除くこと。
- 以下が、リーダーとしてやるべきことのリストだ。・部下一人一人の目標と、チームの全体目標を明確に設定する。・具体的な指示が必要な部下にははっきりと伝える。・自身の成功体験や失敗体験を共感できる事例としてチームに共有する。・チームに向けて話す時は、否定的なことよりポジティブな側面を強調する。・一人一人に、そしてチーム全体に対しても定期的にフィードバックを行う。ポジティブな評価も建設的な指摘も伝えること。・小さな成功体験をさせることで、チームとしての結束を強める。・言行一致を徹底する。・上司として、組織として、評価の姿勢をできる限り報酬で示す。・建設的な関係性を築く。自身とチームは、同じ目標へと共に向かっているのだ。・創造力とイノベーションを奨励し、良い変化を起こす。・自律的な行動と、プロフェッショナルとしての研鑽を推奨する。・部下が軋轢を恐れず意見を言えるようサポートし、自分の観点も伝える。・部署と組織全体、そして消費者や地域コミュニティとのつながりを意識できるよう働きかける。
- 相手がよほど完璧な人間でない限り、辞める人間に引き継ぎや新人教育を担当させてはならない。能力不足で解雇されるような人が、自分の後任者をうまく教育できるわけがないだろう。
- 年齢に関係なく、すぐれた上司に共通した行動だが、部下一人ひとりへの気遣いを早い段階からよく示すようにしよう。マネージャーは営業が上手くなければならない。あなたは部下に自分を売り込んで「この人が上司でよかった。」と思わせるのが仕事だ。
- 人事関連業務だけは決して部下に任せてはならない。たとえあなたがCEOであっても、自分でやるべきだ。業績評価、給与決定と振り返り、面談評価のフィードバック、コーチング、懲罰、解雇等は人に渡さず、自分がやるべき仕事だ。
- 仕事関連のストレス源になるもの。・上司から指示がない、あるいは矛盾した指示を受ける。・PCやシステムのトラブル。・頻繁に仕事の邪魔が入る。・優先順位の相次ぐ変更。・上司や経営陣がコロコロと変わる。・企業の合併。・部門の縮小。・組織再編、リストラ。・社内政治。・締め切りのプレッシャー。・業績へのプレッシャー。・時間の管理がうまくできない。・私生活の問題が仕事に影響する。・慢性的な長時間労働。
- マネージャーの品格。・品格とは、人としての尊厳をもって部下に接し、単なる仕事の道具として扱わないことだ。・品格とは、社会的地位とは無関係である。行動が品格を決める。・品格のある人は、たとえ苛立っていても、汚い言葉は使わない。人を罵倒するような語彙とは無縁の人こそ品格があると言える。・品格のある人は注目をむやみに求めない。他の人が脚光を浴びていても、ひがまずにいられるのが品格だ。・品格のある人は、卑猥な冗談や差別的な軽口を言わない。・品格があれば、性的欲求は職場から切り離すことができる。異性に対して母親の前で言えないような言葉を吐かないのが品格だ。・品格とは、自分の組織を誹謗しないことだ。たとえ会社に失望し、自分の言い分は正しいと思っていても、暴言は慎むのが品格だ。・品格のある人は、他人のネガティブな言動に引きずられて同調しない。・品格のある人は落ち着きを失わない。後先を考えない行動はしないものだ。・品格のある人は自分の間違いをごまかさず、失敗から学んで前進していく。・マネージャーの品格とはワンマンにならず、チーム志向であることだ。・品格とはマナーの良さである。・品格とは自分を大切にし、それを基盤として他者を尊重できることだ。・品格ある人は、配偶者やパートナーについて侮辱的なことを言わない。こうした侮辱的な発言は、話題の対象よりも、むしろ話している本人のことを表すものだ。・マネージャーの品格は、部下への信頼に現れる。・品格のあるマネージャーは部下より自分が優れているとは考えず、それぞれ異なる職責を担当しているだけだと知っている。・品格のある人は怒りに任せた行動をせず、冷静な理性が戻るまで待つ。品格のある人は、衝動的ではない。・品格のある人は、自分が成功するためには、まず他の人をサポートすることだとわかっている。・品格のある人は、評価や勝算を気にしすぎない。時には誰かが実際よりも評価されることも理解している。日陰で目立たない時期にも平静を保てるのはこの考えがあるためだ。・品格とは、自分を偽らず、常に言行一致に努めることだ。・品格のある人は、自分の立場を守るために他人をこき下ろさない。・品格のある人は、自分が模範となってリーダーシップを発揮する。・品格のある人は、柔和な笑顔の重要性と価値を理解している。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識