概要
重要なのは機器ではなくコンピュータという考え方だ。
第一人者が原理から説き起こし、並列処理や進化的アルゴリズムなど最先端の話題まで解説する必読の入門書。
どうしてこの本を選んだか
何かのコンピューター関連のYouTubeチャンネルを見ていたら、推薦図書として挙げられていた本である。
せっかくなので、購入して読んでみようと思った。
感想
コンピューターとその進化および人間自身とマシンの比較に関する著者の考察や意見が述べられている。
脳の構造やコンピューターの仕組みから、コンピューターも脳も仕組みが根本的に同じであるので、コンピューターが進化することによって人間の脳に到達するであろうと示唆している。
もとより人間は自身を特別視しがちで、コンピュータは人間に追いつくはずもないと論じられていたが、昨今のAIの進化を見ては分かる通り、もはやAIは人間の能力を超えているようにも見える。
本書はその兆候を示唆しており、機械と脳の仕組みが同じである以上、一定のタイミングで機械が人間を超えるだろうと予測している。
その単純性は、「人間の脳は、機械と同じように単純である」と読み替えることもできる。
本書はそのあたりの歴史等も書かれており、ITの知識としてとても面白い本であった。
今後への活かし
コンピューターの名著古典百冊という本があるので、これを買ってみようと思う。
Notes
- 万能コンピュータは注目すべき考え方である。この考え方は、適切なプログラムさえあれば、コンピュータを人間のように思考させることを示唆している。
- 歴史的に見て、人間を特別視する議論はコンピューターの出現する以前にも幾度となくあった。地球が宇宙の中心でなく、太陽の周りをめぐる複数の惑星の一つに過ぎないという発見は、天動説が当たり前であった時代の人々には大きなショックであり、その発見を機に天文学の哲学的な意味付けが熱心に議論されるようになった。似たようなことは、進化論が提唱された時にも起こっている。進化論が人類の特殊性を脅かすと考えた人々がいたからである。つまり、こうした論争は人間の価値についての誤った判断によりもたらされた。私見を述べさせてもらえば、コンピューターの限界に関する近年の議論の多くもまた人間の価値についての誤った判断に基づいている。
- 常に完璧で正しい答えを必要としない問題はたくさんある。それらは、答えが完璧でなくても十分な問題である。完璧に正しい答えが必要であっても、それを求められないこともある。コンピュータは経験的知識に基づいて効率的な推論をしながら、そうした問題の正解を有効に探すことができる。
- 私は知性の源を侮辱しようとして、「脳はマシンである」と言っているわけではない。私はマシンの能力の潜在性を認めようとして、「脳はマシンである」と言っているのである。人間の頭脳は我々の想像以下のものではなく、マシンは我々の想像を遥かに超えるものである。私はそう信じている。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️⭐️☆
文庫 思考する機械 コンピュータ