概要
ヒトはなぜ隠れてセックスをし、セックスそのものを楽しむのか。
私たちの性はなぜ、かくも奇妙に進化したのか。
人間社会のあり方を決定づけてきた性の謎に挑む。
どうしてこの本を選んだか
きっかけとしてはモテようと婚活について考えようかと思っていたとき、生物学的観点からも興味を持ったので本書を買った。
感想
本書はタイトル通り、人間という性質を性という観点から、他の動物と比較し人間の持つ性の奇妙さを解説し、それを考察した本である。
どうも人間は他の動物と違って性的に特異らしい。
もっとも注目されているのは、女性の閉経についてだ。
他の動物には発情期があるのに、人間には発情期がない。
基本的に人間は年中性交ができるし、子供をもうけたとしても性欲が止まるとは限らない。
そこが他の動物に比べて奇妙である最も大きな要因であると著者は述べている。
自分の日常生活や恋愛に生かせるかといったら、役に立つものはないのだが、知識ベースとしては面白かった。
今後への活かし
特に自分の生活に活かせるようなものではなかったが、面白かった。
Notes
- 男は何の役に立つのかという疑問は、人類学者の間ではもとより、我々の社会でも論じられつづけているのだ。
- 我々の巨大な脳や直立姿勢、排卵の隠匿や楽しみのためのセックスを好むと並んで、閉経は我々人間を人間、すなわち類人猿以上の類人猿とは異質の存在たらしめるのに不可欠な生物学的特徴の一つなのだ。
- メスの閉経は動物の世界では十分に異常な現象であり、人の女性でそれが進化したことは説明を要する。
- ヒトの女性の閉経の進化的な根拠を理論化するには、より少ない赤ん坊を産むという一見逆効果の女性の戦略が、実はより多くの赤ん坊を残す結果になっていることを説明しなければならない。明らかに年老いた女性たちは、新たに子供を産むのではなく、すでにいる子供や未来の孫やその他の親類を親身に世話をすることによって、自分の遺伝子を担う個体の数を増やしているのだ。
- 伝統社会において、老人が決定的に必要とされるのは、彼らの子や孫の生存のためばかりではない。彼らの遺伝子を共有する数百人の人々を生き残らせるためでもあるのだ。
- 我々もまた、コクホウジャクの長い尾羽やニワシドリの冠毛といった任意なシグナルに頼っているのである。人間のシグナルには、顔、におい、髪の毛、男性のあごひげ、女性の胸などが含まれる。配偶者選択の根拠として、鳥の尾羽の長さよりこうした特質の方が滑稽でないとどうしていえよう。
- 顔は年齢による衰え、病気、怪我に対して最も敏感な体の一部である。それゆえ、特に伝統社会においては、傷があったり変形していたりする顔を持つ人間は、顔を崩される感染症を持っているとか、自分の面倒もみられないのだとか、寄生虫に侵されているのだといったことを公に示すようなものだったろう。したがって、美しい顔をしているということは健康に優れているという正直なシグナルであったし、20世紀になって手術で完璧な美容整形が可能になるまではごまかせない性質だった。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️☆☆
文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか