概要
性風俗で働くことには、昼の世界よりも圧倒的に高額な報酬を手にすることができる可能性がある反面、ストーカー被害や性感染症、社会的な信用といった面での大きなリスクが伴う。
彼女たちはなぜ性風俗産業で働きはじめ、どのようにして卒業したのか。
実際の体験談から脱がずに生きる方法を模索する。
どうしたら、脱がずに生きていけるのか。
どうしてこの本を選んだか
自分にとってためになる本というのは、必ずしも成功者や研究者が著したビジネス書や理論の本ではない。
結構前に読んだホームレスにインタビューしたという本は大変ためになった。
なので、一見ビジネス的にも距離の離れた本であっても、意外とそこから仕事的な観点や個人の価値観につながるものもあったりするので、奇を衒った本を読むこともある。
本書もその一環のひとつだ。
風俗嬢という一見後ろめたい感じのする職業に従事する人たちがどのような人生を歩むのだろうかと気になって購入してみた。
感想
個人的には、仕事に貴賤はないと考えており、風俗嬢等を差別したり蔑視したりする気持ちはない。
しかしながら、どうしても社会的には後ろめたい職業として後ろ指を指されるようなことが多いだろう。
後ろめたい思いを持って風俗嬢をやっているという人が多いのかと思いきや、実際に本書を読むと必ずしもそうではなさそうだった。
もちろん後ろめたさは多少なりともあるだろうが、全体的に前向きな人が多かった印象である。
風俗嬢をやめた後も、割と一般的な日常生活を取り戻せるような印象を受けた。
気になるところとして、愛情表現といった点では他の人に比べて障害というか、心に傷を負ってしまうようである。
万人にはおすすめできないが、自分にとっての性風俗産業に対する価値観がちょっと改まったので良かったと思う。
今後への活かし
特になし。
Notes
- 利用する客は過去の被害体験から特殊な性癖を持つようになってしまったが、誰にも言うことができず、こうした店を利用することでどうにか発散させているという人が少なくなかった。
- 一般の仕事ではキャリアは積み上げていくものである。それは経験や知識、資格を蓄積して自らの市場価値を高めていく「足し算」であるが、性風俗の仕事では手持ちの資産(若い体と時間)をただ取り崩していき、それがなくなった時点で市場から退場を迫られるという「引き算」になりがちだ。つまり、どれだけ働いてもキャリアにつながらないばかりか、働けば働くほど、履歴書の空白期間が広がってしまう。性風俗の仕事が高単価である理由は、一般の仕事をしていれば蓄積できたであろう将来のキャリアを切り売りしているからと言えるだろう。
- つまり、女性も男性客も店も、性風俗の仕事に労働者性を求めていないのだ。むしろ、労働者性を曖昧にすることで、三者それぞれが価値を得たがっている。
- 「そうした中で昔はこうあるべきという押しつけに感情的に反発していましたが、女として生きた方が現代では得だし楽だなと。社会に反発するのは無駄なエネルギーだなと合理的に考えて、女性就活のレールに乗っかった。女性に擬態した、と言えるかもしれません。」
- 性風俗の世界を離れてみると、改めてすごい仕事なんだなと感じる。どんなにキラキラした世界に見えても、昼の世界で生きている人たちからすれば、人に批判されること、タブー視されている仕事であることを改めて感じた。
- 私にとっては風俗はなくてはならないものです。風俗で働けてよかった。自分自身が成長できた場所でした。もし働いていなかったら、男性と関わらないまま一生を過ごしていたかもしれません。風俗がなくなったら、男性だけではなく、女性も困ると思います。
- 性風俗の仕事は、一見するともっとも結婚から縁遠い仕事に思えるが、従事している当事者は結婚願望の強い人が少なくない。そもそも性風俗も水商売も、歴史をさかのぼれば、その原型は効率的に出会いを行うための場である。店に来た男性と個人的な関係になり、店外での交際を通して関係を深め、最終的にパトロン(資金提供者)、あるいは結婚相手になってもらうこと、そのための出会いを見つける場所であった。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️☆☆
風俗嬢のその後