概要
伝説のエンジニアが満を持して放つ、最高にリアルな10年後の未来予測!
AIとロボットの知られざる驚異的進化。 すべてはまだ助走にすぎない。 社会と経済の大転換はこれからだ。 待つのはユートピアか? ディストピアか? そして、私たちはどう生きるべきか?
消える職業/新たな経済圏/監視社会/老後/死生観の変容/次のGAFAM/ロボット市場競争/ウェアラブルデバイス/AIドローン/メタバース/ゲーミフィケーション/農業革命/戦争/生きがい
「あなたの心の準備ができていなくても、この未来は確実にやってきます。あらゆる常識が覆り、世界はまさに一変するのです。誰もが新しい『生き方』を問われるでしょう」(著者)
どうしてこの本を選んだか
Amazonの推薦商品として出てきた本。中島聡さんの著書は以前から読んでおり参考になることが多い。昨今のAIの進化が著しい中、日本を代表するITエンジニアである中島さんの意見を知りたかったため購入した。
感想
本書はAIの進化が著しい現代において、近未来に起こることを中島さん自身が予測した内容を書籍化している。構成は二部構成で、一つはAIが溶け込んだ社会に生きる人々の短編集、もう一つはその短編集の解説である。自分自身そこまでAIに詳しいわけではないが、昨今のAIの進化を見るに夢物語だとは思わず、むしろ同意見な部分が多かった。言われてみれば容易に想像がつくような解説を中島さん自身がしており、とても勉強になったし、今後の将来予測が描けるような内容であった。全体的にAIが登場することで人間が幸せになるというよりは、AIにいろんなものが奪われ、いろんなものを解釈し直す必要があるという印象を強く受けた。本書の最後に投げかけのあった「本当に人間に必要なものとは一体何なのか」という中島さんの言葉からは、AIが人間の社会に溶け込む中で一層重要になるのは人間らしさの部分であるという強いメッセージを感じた。ChatGPTの衝撃からおよそ三年、ここからどのような進化を遂げていくのか、この本をもとに引き続きAIの進化は注目していきたい。AIが社会に溶け込む未来をどう予想するか興味がある人にはぜひ読んでもらいたい一冊である。
今後への活かし
AIと人間が共生できる未来となるのか、AIに支配されるディストピアになるのか。どちらにせよ、人間の在り方について改めて考えさせられた一冊だった。
Notes
- 私はWindows95などの開発を通じて、インターネットが世界を塗り替える瞬間もこの目で見てきました。しかし、断言します。AIの進化がもたらすインパクトは、私が歴史から学んだ、どんな大革命も、そしてこの半生で目撃してきたどんな技術革新も遠く及ばない、文字通り桁違いの地殻変動になるでしょう。
- では、こうして集めたデータをAIにどう学習させるのか。現在、この目的を実現するための技術的アプローチは大きく分けて三つあります。①モデルそのものをつくり替える「ファインチューニング」②言葉で振る舞いを指定する「プロンプトエンジニアリング」③記憶や過去の出来事を参照させるRAG(検索拡張生成)
- AIは単に正しい答えを出すだけのツールではなく、あなたの気持ちわかっているよと感じさせてくれる存在へ。これからのAIと人間の関係は、デジタルな正しさと人間ならではの不完全さの間に心地いい新しいバランスを見出していくことになるのだと思います。
- 次のハードウェアはなにかという視点だけで未来を予測している時点で、実は少しピントが外れています。なぜなら、次に起こる革命の本質は、デバイスの形状ではなくその背後にある知能の進化にあるからです。
- AIを使えば誰でもできるが前提になった世界では、敢えてAIを使わずに覚えていることが、相手への最大級の敬意表現になるということです。
- こうした圧倒的な経済合理性が、工場に残された最後の人間を少しずつ置き換えていくことになります。将来的には、故障したロボットをAIが感知し、別のロボットが修理をする。そんな完全無人化工場が実現しても不思議ではありません。
- お金のある人は高い料金を支払って広告の無い環境を選び、AIの介入を最小限に抑え、静かな生活を手に入れる。そうでない人は無料や低価格のサービスを選び、生活のあらゆる場面でAIの提案と広告を受け入れていく。
- 人間が働くことを前提に作られた組織は、AIネイティブな新しい組織には勝てません。極端な話、優秀なエンジニアが3人いれば、AIを駆使して数千人規模の従業員を抱える既存の大企業と互角に戦える。いや、それどころか、大企業よりも大きな収益を上げ、シェアも奪ってしまう。そんな「巨象が蟻に倒される未来」がすぐそこまできているのです。
- あなたはどんな生き方を選びますか。もし、仕事という軸が揺らいだとき、何に時間を使い、何に喜びを感じますか。あなたにとっての本物とは何でしょうか。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️⭐️☆
2034 未来予測――AI(きみ)のいる明日