概要
ちきりん、ウメハラ流「いい人生」の探し方。
月間200万ページビューの社会派ブロガーちきりん氏と、世界一のプロゲーマー梅原大吾氏の異色人生対談。
「梅原さんは学校が嫌いで、授業中は寝てばかりいたという。
それなのに私の周りにいる、一流大学を出た誰よりも考える力が凄い。
いったいどこで学んだの? 学校の役割って何なんだろう……」。
そんな、ちきりん氏の疑問から始まったこの対談は、「いい人生の探し方」にまで発展した。
小さい頃からゲームという”人生で唯一無二のもの”に出あいながらも、
「自分の進む道はこれでいいのか?」と悩み続けた梅原氏。
一方、いわゆる”エリートコース”を自分から降りたちきりん氏は
「頑張って、頑張って、それでもダメだったら、
自分の居場所を探すために”逃げる”のも幸せをつかむ方法」と言う。
立ち位置も考え方もまったく違う二人が、足かけ4年、100時間にもわたって語り合い、考え抜いた人生談義。
学校で真面目に勉強してきたのに競争社会で行き詰まっている人、
やりたいことが見つからなくて悩んでいる人必読の一冊。
どうしてこの本を選んだか
一時期、ゲームをちょっと頑張ろうかなと思っていた時期があった。
最近は仕事が忙しくなって全然やらなくなってしまったが、
コミュニティにも属してゲームに本腰を入れてやろうと思った時期があった。
その中で気になっていたのは、やはりどういうマインドセットを持って取り組むべきかという点である。
ウメハラといえば日本を代表する格ゲープレイヤーの一人で、ほぼ神と言ってもいい存在であろう。
今は実力が落ちているみたいだが、その人がどういうマインドセットを持ってゲームに取り組み、
最強の立場になったのかを知りたいと思い、本書を購入した。
もともとウメハラさんの考え方はYouTube等の切り抜きで見ていたことがあり、
哲学的なことを言っている印象であった。
それを本を通して知りたいと思った次第だ。
感想
ある人がゲームを突き詰めれば突き詰めるほど、ほとんど仕事と大差ないと言っていた。
たしかに仕事もゲームもPDCAを回してどんどん改善し、
より高い技術や成果につなげていくというスタンスはまったく一緒である。
そのためには考えて、ブラッシュアップして改善し、さらに次につなげることが必要になる。
それはゲームも仕事も一緒である。
そういった意味ではゲームも仕事もあまり関係なく、
「物事を上達する」というより抽象度の高いことに置き換えることができ、その点同じものであるといえるだろう。
それがゲームを通して身につけたか、仕事を通して身につけたか。
はたまたスポーツや芸術、勉強どれであっても、大体行き着くところは一緒なのであろう。
本書の面白かったところは、ほとんどゲームという世界でしか生きてこなかったウメハラさんが、
ビジネス書に書かれているような内容とほぼ同等のことを言っていることだ。
仕事に置き換えれば成果につながる事例がビジネスのシーンで書かれているが、
本書に関してはそれがゲームの話であるというのが興味深い。
なるほど、ビジネスにあたる部分はゲームに置き換えるとこういう形で出力されるのかという点が新鮮だった。
今後への活かし
すごくつまらないことを言ってしまえば、本書はビジネス書と大体同じことが書いてあるといえてしまう。
言ってしまえば、ビジネス書と同じことをやっていればゲームも同じように上達するという身も蓋もない話になる。
本書においては、ゲームという新しい観点からその見解を得られたのが面白い部分だったといえるだろう。
対談形式であるため、今後へつながるような具体的なアクションは特にないが、
勉強になるところも多かったので、心がけていきたいと思うところも多かった。
Notes
- 実は、ゲームの世界でも、日本人は疑問を持つ力が足りない。ファンからの質問でもその差は歴然としていて、アメリカ人の質問の方が圧倒的に面白い。
- それに僕が感心するレベルの質問。とても偶然じゃないだろってくらい、日本人とアメリカ人の質問には明確な差がある。それに僕が感心するレベルの質問ができるってことは、質問者はその時点で既に答えに半分手が届いている。
- 一方「どうすれば勝てますか」みたいな質問をしている人は……。
- 百年経ってもそこから先に行けないでしょうね。そして、なんでそんな何も考えてない質問しか出てこないかというと、誰かに答えを与えてもらおうとする前に、自分で考える訓練をしてないからだと思う。
- だから日本のメーカーって生産管理とか品質管理の手法みたいな、ある種の企業秘密まで隠さず、他社に教えちゃう。アメリカだと各企業がコンサルを雇ってそういうノウハウを買わなくちゃいけないんだけど、日本だと取引先企業にまで社員を送り込んで、手取り足取り。無料ですごい手厚い指導をしてレベルを引き上げる。そうやって日本の業界全体のレベルがどんどん上がっていった。
- 呪いだから損得関係なく、もうやらないわけにはいかない。才能の有無すら関係ない。もしその子が親に止められてボクシングをやめてしまったら、「俺、あのままボクシングに打ち込んでたらどういう人生だったんだろう」っていうモヤモヤをずっと引きずって生きていくことになる。
- ところが、一度その道を諦めて、他の仕事までして、あがきまくった末にたどり着いた「やっぱりここしかない」っていう感覚は、子供の頃のゲームしかないとは明らかに違うレベルの納得感である。そういう本気出して真剣に足掻いた経験を得ないと、このレベルの納得感は得られない。
- つまり、天からこれだを与えられてない人にとっても、一定以上やり込めばそれが「これだ」と思えるものになるってこと。
- そう思う。一年なのか、三年なのか。とにかく頑張って打ち込めば「これだ」感が出てくるし、出てこなければそれはやっぱり違う分野なんだと理解できる。
- そうやって自分の本音を確認したかった。人間って自分の本音に気づける機会ってそんなにない。「金なんて大事じゃない」っていうのは簡単だけど、それが本当に自分の気持ちなのか、なかなか確認できない。
- ウメハラさんをはじめ、ゲームプレイヤーのみんなは清宮選手のことなんて全然知らないよねっていう肌感覚までは持ててない。そこまでゲームプレイヤーと近い関係っていうのはないんだなって思った。ゲーム関連企業の人でさえ、プレイヤーについて深く理解しているわけではないというのが意外というか印象的だったので、よく覚えている。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️⭐️☆
悩みどころと逃げどころ