概要
21世紀の現代の善と悪の原点こそ、フォン・ノイマンである。彼の破天荒な生涯と哲学を知れば、今の便利な生活やAIの源流がよくわかる!
「科学的に可能だとわかっていることは、やり遂げなければならない。それがどんなに恐ろしいことにしてもだ」
彼は、理想に邁進するためには、いかなる犠牲もやむを得ないと「人間性」を切り捨てた。
どうしてこの本を選んだか
以前読んだ「痛快!コンピューター学」という本に、世界で最初にコンピューターを開発したのがノイマンであり、現代に流通しているパソコンのほとんどがノイマン式を元にしていると書かれていた。フォン・ノイマンという名前は授業等で知っていたものの、実際にどういう人物なのかは全く知らなかったため、それを知りたいと思い本書を購入した。
感想
最近のIT技術の発展は凄まじいものがある。もともとパソコンを開発した経緯が弾道計算であったということは知っていた。フォン・ノイマンは歴史上に名を残す偉人の一人であろう。このままIT技術が進化を続ければ、おそらく人間の頭脳すら凌駕する存在がAIによって登場してくるだろう。その最初のパソコンを作ったのがノイマンであるということを考えると、歴史上有数の天才の一人というだけでは飽き足らず、もっとすさまじい影響力を与えた、ひいては人類の存在を脅かすぐらいの天才であった可能性を秘めているだろう。当然、この本が書かれた当時は人工知能はそこまで注目されるものではなかったが、現代にちょうどAIの進化を目の当たりにしている自分としては、恐ろしいものを感じないでもない。フォン・ノイマンというIT技術史に残る人物の伝記を読めたことはとても面白かった。
今後への活かし
伝記であるため、活かせる学びは特に得られなかった。
Notes
- 彼は睡眠時間を4時間と定め、残りの20時間を楽しいことに使うと決めていた。その楽しいことの大部分は考えることであり、残りが一流レストランで美食を楽しみ、ベルリンのキャバレーで飲むことだった。
- チューリングは36機の「エニグマ」の動作を同時にシミュレートできる暗号解読機「ボンブ」を製作し、ローター配置の可能性を探知する方法を開発して、ついにその解読を成功させた。「エニグマ」暗号解読は、ナチスドイツを敗北に導いた最大の要因とも言われる功績である。8月7日、「ENIAC」を見たフォン・ノイマンの最初の質問は、もちろん「機械の論理構造」に関するものだった。続けてノイマンはエッカートとモークリーを質問攻めにしてさまざまな改良点をアドバイスすることになった。そのおかげで、ENIACの計算速度は毎秒5000回にまで向上した。それを見たノイマンは「これでようやく私の次に計算の早い機械ができた」と言ったという。
- 要するに、同じハード(機械)を使いながらソフト(プログラム)を変換すれば、多目的に対応することができる。そのプログラム内蔵式の概念を史上最初に明確に定式化したのがノイマンだったのである。
- このプログラムの方法を検証するためには、膨大な数の微分方程式や複雑な関連計算を行う必要があった。そのためにコンピューターを提供したのがノイマンだったのである。ノイマンは水爆開発について一貫して推進すべきだという立場だった。なぜなら、アメリカこそが「常に世界で最大の武器を保有するべき」だからである。道徳的批判に対しても「一切躊躇してはならない。」と、平然と述べている。
- 12月12日、全米計画協会で行った講演が彼の最後のスピーチとなった。そこでノイマンは「すべてを、機械が得意なことと人間が得意なことに分けるのが、今後のために最良の手段です。」と、未来を見通して語っている。
- ノイマンとともに原爆を開発し、核反応理論でノーベル物理学賞を受賞したベーテは、「フォン・ノイマンの頭脳は常軌を逸している。彼は人間よりも進化した生物なのではないか?」と本気で考えたことが何度もあるという。
買ってねー
おすすめ度:⭐️⭐️⭐️⭐️☆
フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔